美味しく食べるには

伊豆でも当店でも共通部分は多いと思います。
美味しい物。旬の物。伊豆でしか食べられないものを食べるにはどうしたらよいか。
常にお客様に言うのですがなかなか分かってもらえません。
それは店にしろ宿にしろちゃんと予約を入れてどんなものが食べたいか予算はいくらか
人数は等店の人間と良く打ち合わせをすることです。
最近は民宿など予約しなくても泊まることが出来るとたかをくくり飛び込みで来る人間も多い。
それでは美味い物は食べられません。私の様に市場へ毎日出かける人間でも
入札の値段付けは難しいです。本当に10円の差で取ったり取られたりです。
予約が入っていればもう少しがんばるかと思うし予約が無ければそんなに無理はしません。
これは他の仲買さんも同じで大事な予約が入っているととんでもない値段で買っていくこともあります。
つまり民宿さんは予約が入ると日時と予算魚の枚数を仲買さんに言って仲買はそれを元に
市場で魚を仕入れるわけです。当日天候が悪そうだと前日に仕入れることも有ります。
もちろん活きの良さをみてですけど。だから当日の朝には勝負はついています。
それをお昼頃泊まれますかと来ても本当に美味しい魚は食べることは出来ません。
まあ有る程度は余分に仕入れているはずですから絶対とは言えませんが。
夕方泊まれますかでは絶対に無理です。だから何回も書きますが美味しい物を食べたければ
事前予約は絶対に必要です。私の店でも事前に予約してくれれば旬の良い魚を市場で買ってきます。
土日は競争率が高いので値段も高く予約が無ければなかなか良い魚は買えません。
事前予約してどんな物が食べたいか予算はどれだけか。人数は。等連絡をくれれば
がんばって市場で仕入れることが出来ます。最近は席の予約をくれる方は多いまですが
料理は現場に着いてからという方がほとんどです。店に着いてから「今日はどんなお刺身が
おすすめですか。」という方がいますがそれなら席の予約の時に「今はどんな魚が捕れていますか」
「いくら位で食べることが出来ますか。」等聞いて下さい。出来る限り答えます。そして予約してくれれば
市場で仕入れることが出来ます。生け簀には伊勢エビ アワビ サザエ 活きアジ等入っていますが
その他の物を食べたいときは電話で聞いてくれた方が確実です。
もう一つご来店の時期も大切です。いつもお客さんに笑い話のように話すのですが、真冬
海には白波が立ちつむじ風もちらほら見える。店がゆれる台風並みの西風が吹いている日に
やって来て「今日はどんな魚が捕れました?。」冗談ではありませんこんな日に漁に行く人なんか
絶対ありません。行ったら死んでしまいます。つい最近(平成17年9月7日に書いています)も
台風が近づいて船が避難しているのに「今日はどんな魚が捕れました?。」と聞かれました。
台風騒ぎの時に漁に出れば新聞に載ります。行方不明として。
それからお盆 正月は市場も休むし漁師さんも休みます。こんな時は新鮮な地魚は
ほとんど有りません。生け簀で活かして有れば別ですが。
お客様と話していると伊豆の人間は全員観光客の皆様のために年中無休で朝から晩まで
休み無く働いていると思っている方がほとんどです。
そんなことは絶対有りません。土日お盆正月働くのは観光関係の人間だけです。
大多数の人間は土日お盆正月は休みます。上にも書きましたが漁師さんも
お盆正月は休みます。市場も休みますから。このへん勘違いしないで下さい。
結局美味しい魚を食べるのなら海が静かなシーズン春か秋の平日が最適ということです。
もちろん予約を忘れずに。